日本では縦書きと横書きが混在している理由をご存じですか。
意外と知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は縦書きと横書きが使われている理由や書き方の違いによる綴じ方の変化、使い分けについてご紹介します。
□縦書きと横書きがある理由
日本では国語の教科書や小説、新聞などは縦書きで書かれていますが、外国語や音楽、科学、数学の教科書や参考書などは横書きで書かれていますよね。
実は、このように縦書きと横書きが混在している国はとても珍しいのです。
英語やフランス語が主流の国では横書きを使用します。
中国では昔は縦書きが主流でしたが、今では横書きが多くなっています。
何故多くの国が片方の書き方に統一しているのに、日本は今でも両方の書き方が使われているのでしょうか。
日本に漢字が入ってきた時は、文章は縦書きで書かれていました。
縦書きはひらがな、カタカナができた際も使い続けられてきました。
しかし、江戸時代以降、外国の文化やローマ字が流入し出すと同時に、横書きが使われ始めました。
横書きが使われるようになっても、縦書きが廃れることはありませんでした。
文章中に漢字を使う場合、縦書きの方が読みやすいという感覚の名残があるからだと言えるでしょう。
□書き方が変わると綴じ方も変わる
綴じ方は読みやすさを重視するため、縦書きか横書きかに合わせて、綴じ方が異なります。
まず、縦書きでは右綴じが使われています。
日本文学などの小説や国語の教科書は本の表紙を正面にすると綴じている部分が右側に来ますよね。
縦書きの場合、右から左へと文章を読み進めていきます。
皆さんは、ページの1番左下まで読むとまた次のページの1番右上に視線を移すと思います。
この時に右綴じをしていることで、スムーズに読み進められます。
一方で、横書きの場合は左綴じが使われています。国語以外の教科書や参考書は、冊子の左側が綴じられていますよね。
横書きの書物を読む時は左から右へと目を動かして読みます。
そしてページの1番右下まで来たら次のページの1番左上から読み始めますよね。
左綴じをしていたら目の動きに合わせてページをめくることができるので無駄な動きをすることなく読み進めていくことが可能です。
□適している書き方
*縦書き
縦書きが適しているものは新聞や日本の小説、週刊誌などが挙げられます。
どの書物も縦書きのイメージが沸きますよね。
日本では長い文章を読んでもらう時には縦書きを利用する傾向にあります。
さらに、漫画でも日本の伝統を踏襲して縦書きが採用されていることが多くあります。
特に、右綴じの漫画の場合、右上から左下へ読み進めていき、文字は縦書きで書かれていることが多いです。
是非、お手持ちの漫画を確認してみてくださいね。
また、和を連想させるような広告などを作る時はあえて縦書きを採用することがあります。
*横書き
横書きが適しているものはパンフレットやカタログ、楽譜の学問書といった、外国の文字が含まれているものだと言われています。
これは、縦書きだと英数字やアルファベットを記載する時は横向きで書かれてしまうため、読みにくくなるからです。
小説を読んでいて、突然英語が横向きに書いてあり、本をわざわざ横向きにして読んだことのある方もおられるでしょう。
また、若者に向けた広告では横書きを用いられることが多いです。
現在の若者は横書きが主流のインターネットに慣れ親しんでいることが理由と考えられています。
*ミックス
縦書き、横書き両方のメリットを生かせるのであれば、1つの紙面で両方の書き方を使うことも可能です。
ポスターを例に挙げると、読者に注目して欲しいキャッチコピーなどは横書きで書いて、しっかり読んでほしい文章には縦書きを使えます。
しかし、何も考えずに縦書きと横書きを使うとゴチャゴチャして読みにくいものができてしまうので注意しましょう。
□まとめ
今回は縦書きと横書きが存在する理由と、適した綴じ方、使い方についてご紹介しました。
それぞれの利点を生かして書物が書かれていることがお分かりいただけたと思います。
この記事を参考にして縦書きと横書きの選択をしてみてくださいね。
また、小冊子を印刷したいと考えている方は是非当社にご相談ください。