印刷トラブルで、「ブロッキング」という単語に聞き覚えのある方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ブロッキングの原因や対策について解説します。
□ブロッキングって一体何のこと?
この記事をご覧になっている方の中には、そもそもブロッキングが何なのかについて知らない方も多いと思います。
ブロッキングとは、印刷物に頻繁にみられるトラブルのことを指しています。
ブロッキングは、印刷の際に印刷した用紙同士が互いにくっついてしまったり、インキ等がくっついて反対面に転写移行したりしてしまう現象です。
ただ単に印刷した紙がくっつくだけなら、何も問題はありません。
しかしくっついたまま工程を進めてしまうと、くっついた紙がはがれると同時に、せっかく印刷した紙が破れることがあります。
カラー印刷された紙を積み上げて放置していたら、何枚か繋がっていたという経験をお持ちの方は多いと思います。
特に重要な書類や契約書が破損すると、困りますよね。
印刷物同士がくっついてしまう現象としては、「裏移り」とよく似ており、ブロッキングと裏写りは同義であると思われる方もいるでしょう。
印刷の条件変動で起こるトラブルという点では両者同じですが、細かな違いがあります。
□ブロッキングはどうして発生するの?
ブロッキングは紙の接着現象であると上記で解説しました。
では、なぜブロッキングが発生するのでしょうか。
結論から述べると、「印刷が完了した紙面のインクが、印刷環境の変動で粘り気を帯び、糊のようになる」ことが原因です。
中でも2つの原因に大別され、1つ目は主に油性のインクの乾燥が不十分なためです。
印刷物のインクの表面部分が乾燥しきった状態を「インクセット」状態と呼びます。
本来、印刷におけるインクの乾燥とは上記のインクセットの状態から、酸化の過程を経て乾燥が完了した段階を指していることを押さえておきましょう。
しかし、表面だけが乾燥したインクセットの状態のまま、印刷物の表面を加工してしまうと、加工したときに生じる高温によってインクが柔らかくなり、接着剤のような性質を帯びるのです。
これは、インクの使用量が多くなる箇所(人物の頭部やベタ塗りされた部分など)に多く発生する傾向があると覚えておきましょう。
2つ目は、使用する用紙の素材の違いによるものです。
紙面がツルツルしたものは、インクがなかなか用紙に定着せず、浮いた状態になりやすいため、インクの軟化が起こりやすいです。
次に、前述の「裏移り」との違いを解説します。
裏移りとは印刷物を重ねたときに、浸透及び乾燥しきっていないインクが上の紙に付着することであるとご理解ください。
印刷物同士がくっつく点は両者で共通のポイントですが、ブロッキングとの違いは、こちらは「印刷が完了していない」状態でのトラブルである点です。
両者も根本となる原因は同じなので、印刷機やインクには細心の注意を払いましょう。
□ブロッキングへの具体的な対策が知りたい!
*高温多湿をなるべく避ける
乾燥しきっているかどうかを確認するのが、最も確実な方法です。
印刷が完了した印刷物の表面を、指で擦ってみましょう。
指にインクが付着したり、ニオイが残っていたりする場合は乾燥がやや不十分です。
*ベタが広くなるデザインは避ける
濃い色の背景など、インクの使用量が多いとそれだけインクのトラブルが発生する可能性も高まります。
また、捨てベタにまでインクが及んでいるデザインも、ブロッキングの原因となります。
どうしてもの場合は、裏面のみに留めましょう。
□まとめ
今回は印刷におけるブロッキングについて解説しました。
印刷にはつきものですが、仕上がりに大きな影響を与える厄介なトラブルです。
使用するインクや印刷環境のメンテナンスは、怠らないよう心がけましょう。
今回の記事が、印刷でお悩みの方の参考になれば幸いです。
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