印刷のプレスコート加工についてお教えします!

印刷に携わる方で、本や冊子の耐久性について不安をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
そういった場合に便利な「プレスコート加工」という加工法があります。
そこで本記事では、プレスコート加工についての概要やメリット、デメリットを解説します。

 

□印刷の表面加工ってどんなもの?

印刷屋は製本から製版に至るまで、様々な段階で本に加工を施します。
本に施す加工は非常に多くのものがありますが、中でも読み手に取って重要なのが紙面の加工、いわゆる「表面加工」です。

表紙や背表紙は外部からの汚れや傷に弱く、視覚的情報に影響を与えます。
読みたい本が水に濡れていたら読む気が失せるばかりか、紙がふやけたり文字がにじんだりして読めなくなることもあるでしょう。
表面加工では、印刷面をそういった危険から保護するために、表面をコーティング加工しています。

また、表面加工には本に光沢を加える効果もあります。
表面に光沢が生まれると、本のイメージも上品になりますよね。
ここでは、本の表面加工に用いられる3種類の方法を解説します。

1つ目は、ニス引きとも呼ばれる印刷面に透明なニスを塗り表面を保護する「光沢コート」という加工方法です。
後述する他の加工方法と比べても安価で加工でき、グロス(ツヤ出し)とマット(ツヤ消し)の2種類の光沢を選べることが魅力でしょう。
しかし安価な分、強度や光沢はやや劣ります。

2つ目は「プレスコート」と呼ばれる、印刷物の表面に鏡面光沢をつける加工方法です。
こちらの詳細は後述します。
光沢や、強度は光沢コートより高い一方で、コストもやや高価であることは押さえておきましょう。

3つ目は、「フィルム貼り」と呼ばれる、フィルムを印刷物の表面に圧着加工をする加工方法です。
「PP貼り」または「ラミネート加工」とも呼ばれ、接着剤を塗布したPP(ポリプロピレン)やPET(ポリエステル)フィルムを用います。
強度に優れ、光沢も強い反面、高価である欠点があります。

 

□プレスコート加工とは一体どんなもの?

プレスコート加工は、上記に述べた「光沢コート」の処理をした後、加熱された鏡面版を圧着させる表面加工方法です。
プレスコート加工の特徴として、光沢コートよりも強い強度と光沢が出せる点が挙げられます。
また、上述の「フィルム貼り」よりは低価格で加工でき、コストパフォーマンスに優れています。
費用対効果が高いのは嬉しいポイントですよね。

さらに、コーティングに用いるのは光沢コートと同じアクリル樹脂です。
そのため、フィルムを用いるラミネート加工よりも環境に優しいメリットがあります。

加えて、印刷物全体だけではなく、部分的なコーティングも可能です。
プレスコート加工のメリットを活かした身近な例として、教科書や卒業アルバム、パッケージ、週刊誌が挙げられ、多様な製品に用いられているのがわかりますね。

 

□プレスコート加工のデメリットとは?

一見欠点のないように見えるプレスコート加工ですが、その「蒸気を使う」「熱処理をする」製造過程においては注意が必要です。

1つ目は、熱圧着した際の熱で紙の伸び縮みが起こる点です。
細かなデザインを扱う場合は、変形の危険に注意しましょう。
2つ目は、光沢を着けるために、色味が変わって見えることです。
プレスコート加工というよりも、表面加工そのものに対するデメリットですが、本のデザインに多少の影響を与える可能性は常に意識しましょう。

 

□まとめ

今回は本の表面加工及びプレスコート加工についての概要を解説しました。
表面加工は強度の向上だけでなく、デザインにも大きなメリットを与えます。
様々な加工の特徴を理解して、後悔のない製本を心がけましょう。
今回の記事が、本の加工でお悩みの方の参考になれば幸いです。